| 男女のツイン・ヴォーカル、古語をベースとした歌詞、そして日本の伝承文化を背景とした世界観、多様性を感じさせる音楽的ルーツ。彼らの凄さは作品を重ねるごとに増している。伝統的なヘヴイ・メタルの型を踏襲しながら、たとえば最新アルバム「夢幻泡影」に収録された稀代の名曲「煙々羅」のように、彼ら以外には成し得ない革新牲を待った個性溢れる楽曲を紡ぎ続けていることからも、それは如実にわかるだろう。
“陰と陽”を並立させるコンセプチュアルな立ち位置を持つ一方で、創造意欲の発露はかなり自由奔放だ。よく例示される“妖怪ヘヴィ・メタル”の意味は実に深い。構築された美しさと初期衝動的な瞬発力を同じ流れの中で機能させる絶妙なバランス感覚は生まれ持ってのものだろう。楽曲のヴァリエーションも豊かで、ポップなものからハードなものまで多種多様。そのいずれもがキャッチーな趣向牲を備えているのは興味深い。まさに妖怪変化である。
“聴いて戦け、見て嗤え”とは陰陽座の存在を表す言葉の一つだが、自らそう口にできるのは、やはり自信があってこそ。音源のみならずライヴも含め、結成以来、顕著な活濯を見せてきた軌跡がその確かな証だろう。加えて、メンバーそれぞれが音楽家としての成長を遂げた昨今である。さらなる飛躍を予感する人が数多いのは当然だ。 |